副業を始める人は意外と多い?副業の始め方と知っておくべき法務上のリスク

近年、会社勤めなどをする傍ら、副業で収入を得ている人が増えています。クラウドソーシングサービス大手 ランサーズ株式会社が発表した「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」によれば、2015年3月には533万人だった副業フリーランス人口は、2018年の2月には744万人へと200万人以上も増加し、経済規模も2.8兆円から7.8兆円へとおよそ3倍にもなっています。

この波を受けて、2017年には政府が副業・兼業を解禁する方針を打ち出しました。それ以降、政府内では副業・兼業を促進するためのガイドラインが制定されるなど、副業・兼業が公に認められようとしています。

本記事では、そんな副業の始める方法と知っておくべき法務上のリスクについてみていきたいと思います。

副業を始める前にしておきたいこと

会社などに勤めている人は、実際に副業を始める前に以下のことを行っておきましょう。

会社の就業規則を確認

政府が公に副業解禁を認めていても、就業規則や労働契約書などに副業を禁止する規定を置いている企業はまだまだ多いのが実情です。そのため、どこかに勤めている場合は、勤務先で副業が禁止されていないかどうかをまず確認することが必要です。副業を禁止している企業に勤めながら副業をしていることが上司や同僚に知られてしまった場合、処分を受けたり解雇されたりする可能性もあります。

社内の手続きルールにも要注意

副業を認めている会社でも、副業の内容が競業避止義務や秘密保持義務に反していないかどうか、また従業員の健康面に影響を及ぼすものでないかどうかを確認するために許可制や届出制になっているところもあります。

そういった会社では事前に会社(上司)に届け出たり、許可をもらう必要があるため、内部のルールをしっかりと確認しましょう。

 

副業でありがちな法務上のリスクとは

副業をすると、2つ以上の拠点で仕事をすることになります。それに伴い、さまざまな法務上のリスクやトラブルが生じる可能性がありますので、具体的にどういうリスクやトラブルが起こりうるのかについて見ていきましょう。

 

長時間労働になるおそれがある

例えば、日中に8時間会社で働き、夜2時間副業に従事するとします。すると、労働時間は1日10時間となってしまい、長時間労働によって健康状態や本業のほうに影響が出るおそれがあります。

副業を始めたことで疲れが出てしまい、会社での仕事に集中できなくなったり、注意力が散漫になったりすれば、ミスが起きて社内や取引先に迷惑をかけてしまうことも考えられるでしょう。

 

労災が起こったときに給付が受け取れるか

例えば、日中勤めている会社から副業で使用しているオフィスに移動している最中にケガをした場合などには、そのケガや病気が本業と副業のどちらに起因するものかがわからなくなる可能性があります。

もし、「会社帰りの最中にケガをした」と認められれば労災保険給付の対象となりますが、「副業で使用するオフィスに出勤する最中にケガをした」と解釈されると、労災保険の給付が下りず、自費で治療をすることになってしまう可能性が生じます。
また、働きすぎによって過労で倒れたなども、過労がどちらの業務に起因するものなのか判別がつかず、労災を申請する妨げになることも考えられます。

 

勤務先から信用を損なうリスクもある

副業で何か商売をしている場合、本業のほうで取引を行っている会社と副業でも取引を行っているようなケースでは、本業のほうの会社にその事実が発覚すれば勤務先から信用を失い、最悪の場合損害賠償を請求されるおそれもあります。副業で企業と取引を行う際には細心の注意を払ったほうがよいでしょう。

 


副業が公に認められるようになれば、本業の傍らで自分の好きなこと・本当にやりたいことを副業にして、複数のところから収入を得る人が今後ますます増加することが予想されます。副業を始める際は、くれぐれも本業に支障をきたさないよう、副業を行う際の社内
ルールの確認や体調管理を怠らないようにしましょう。

(※)参考:ランサーズ株式会社「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」
https://www.lancers.co.jp/news/pr/14679/>