【ベンチャー&スタートアップ必見】オフィス賃貸借契約によくある契約書の項目について解説!

ビジネスプランが固まって、いざ独立・起業!となったときに必要なのがオフィスです。最近ではスタートアップ企業やフリーランス向けに安価で利用できるシェアオフィスやコワーキングスペースなども増えてきました。しかし、資金に余裕が出てきて事業形態がしっかりしてくると、独立した事務所がほしいもの。

事務所を構えるときには、不動産業者に事務所用の物件を探してもらい、不動産業者とオフィス賃貸借契約をすることが一般的です。そこで、本記事では、オフィス賃貸借契約に一般的に含まれる項目とその内容について説明します。

 

オフィス賃貸借契約に一般的に含まれる項目とその内容

 

目的外使用の制限

これは、営業用事務所としての目的以外に建物(部屋)を使用してはならないと定めるものです。民法には、「借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。」と規定されているため、これを踏襲した規定が賃貸借契約書にも記載されているのです。

使用目的は、単に事務所と規定している場合や業種まで指定して制限している場合があるため、事業形態に合致しているか確認しておく必要があります。建物(部屋)を契約とは異なった目的で使用した場合、契約解除の原因となり得ます。

ただし、実務上では明らかな契約違反であっても違反の程度や原状回復の難易度、建物構造への影響、貸主と借主の信頼関係等によって、貸主による一方的な契約解除が認められるかが判断されます。

 

契約期間・賃料の支払方法および支払期日

建物(部屋)をいつからいつまで借りられるのか、また賃料をいつどのような方法で支払うのかについて定めます。更新料が発生する場合、貸主にとっては契約期間が短いほうが望ましいですが、借主にとっては契約期間が長いほうが更新料を支払う回数が減るとも言えます。

 

敷金および礼金

敷金とは、借主から貸主に交付する、借主側の債務(家賃の支払義務・建物の毀損汚損債務など)を担保するために支払うお金のことです。契約書には「保証金」という名目で記載されることもあります。一方、礼金とは物件を借りたときにオーナーに支払うお金のことです。

敷金や礼金は法律上要求されているわけではありません。しかし、一般的には建物(部屋)を借りる際には敷金や礼金を要求されることがほとんどです。また、敷金や礼金は、賃料を基準として定めることが多いため、賃料が上昇したときなど、敷金の増額や追加を義務付ける規定が設けられている場合があるので注意が必要です。

 

賃借権の譲渡および第三者への転貸の制限

賃貸物件は、たいていの場合第三者へ賃借権を譲渡したり、第三者へ建物(部屋)を又貸し(転貸)することは禁止されています。これは、賃貸借契約はお互いの信頼関係にもとづき締結されるものであり、借主が貸主に無断で第三者へ賃借権譲渡や転貸をした場合は貸主への裏切り行為とされるからです。この事実が判明した場合、貸主から契約を解除される可能性があります。

ただし、実務上では借主の行為が貸主への重大な背信行為とまでは言えない場合は、貸主の解除権の行使は信義誠実の法則に反し許されないとされています(信頼関係破壊の法理)。

 

中途解約・違約金

オフィスを借りていても、途中でオフィスを別の場所へ移転したり、ビジネスをたたんでしまったりして、借りているオフィスが不要になることもあります。そのため、中途解約について定めておくことが大切です。

しかし、契約期間内に借主側の都合で賃貸借契約を中途解約する場合、契約解除に伴う違約金が発生することがあるため注意が必要です。中途解約をすると契約期間の残存期間すべての賃料が請求される場合もあります。

違約金は中途解約により生じる貸主の損失を補うために設定されるものですが、あまりに解約時点で経過している契約期間に対して残存期間のほうが長い場合、金額が大きくなることがあります。過去の判例では、違約金条項自体は有効だが、金額が大きい場合は公序良俗に反し無効となるケースもあると判断されています(東京地方裁判所平成8年8月22日判決 判タ933号155頁)。

 

原状回復義務の範囲

借りている建物(部屋)を退去する際には、借主は建物(部屋)を借りた時の状態に戻して(原状回復)から貸主に引き渡す義務を負います。原状回復にかかる工事の料金は原則として借主負担となるため、借主側で工事の業者を選定できるようにしておくとよいでしょう。

また、どこまで原状回復の義務を負うか、経年劣化や価値の減少について原状回復義務の範疇に入るかどうかなどもよく問題になります。過去の判例では、通常使用していた場合、通常損耗については特約がない限り、補修費用は賃貸人が負担すべきとされています。(最高裁第二小法廷平成17年12月16日判決 判タ1200号127頁・判時1921号61頁)

 

 

オフィスを検討する際には、契約書に隠れたリスクにも要確認。

オフィス賃貸借契約書は、貸主側が有利になるように作られていることがほとんどです。

便利で使い勝手の良いオフィスが見つかっても、貸主有利な賃貸契約を結ばされていると、後からさまざまな義務や支払いが発生し、かえって負担になりかねません。AI-CONでは、オフィス賃貸借契約のリスク判定や修正案のレコメンドもできるようになっていますので、オフィスを借りるときには、ぜひ利用してみてください。

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