開発や製造に関する法律、「製造委託契約」によくある項目まとめ

製造委託契約は、受託者が委託者から依頼された製品の製造・加工を行い、その対価として報酬や委託料を委託者が支払うという契約です。メーカーが部品を他の業者に発注するときに締結するのがこの製造委託契約になります。本記事では、製造委託契約によくみられる項目について解説します。

 

製造委託契約で特徴的な10の項目

製造委託契約では、どのような規格・仕様の製品を作るのか、いつどこに納入するのか、委託料はいつ支払うのかなどについて定めます。

仕様

委託者の認識と実際に製品の仕上がりにズレがあり、作り直しが要求されないよう、細かい部分まで仕様を決めることが重要です。たいていは、契約書とは別に仕様書や図面を添付して仕様を示します。製造途中で仕様が変更になった場合は新たに仕様書を作成し直し、書面に残しておきましょう。大量生産を前提に契約する場合は、仕様書を作成する前にサンプルを試作することもあります。

 

原料及び資材(原材料の支給)

品物の製造に使用する原材料や資材を、委託者・受託者のどちらが用意するのかを規定します。委託者が用意する場合は、具体的な品名や数量・納入期日などを記しておきましょう。

受託者が用意する場合は、委託者の指定の有無、費用負担などを確認しましょう。

 

個別契約

製造委託契約書では「基本契約」として契約の大枠のみを定め、実際に注文のやり取りをする際には注文書・注文請書で詳細な品名や規格、数量、生産期日、引渡期日などを指定することが一般的です。基本契約と個別契約とで内容の相違があった場合は、どちらを優先するのかわからなくなるので、優先するほうを基本契約に規定しておきます。

 

検品(検査)

受託者が納入した製品を納品後何日以内に検品(検査)し、合否を通知するのかについて定めます。後々トラブルになるのを防ぐため、検査基準や検査項目、検査方法なども具体的に決めておきましょう。

合格の場合は合格証書または検査済証を発行してもらえるよう規定します。合否通知がないままですと受託者にとって不安定な立場となったり、検品(検査)が完了しないと委託料が支払われない場合がありますので、納品から一定期間が経過後は、合格とみなされる旨の規定を定めておくことも大切です。

 

所有権の移転

製品の所有権が受託者から委託者に移転する時期を定めます。委託者が自ら製品を使用したり第三者に売却したりすることを考えると、所有権の移転は早ければ早いほうが良いとされます。

一方、受託者からすれば、委託料の支払いが担保されるため、委託料の支払い完了後に移転させると規定しておくほうが良いという考え方もあります。実務上は、検査完了時に移転すると定めるケースが多く見られます。

 

危険負担

「危険負担」とは、契約当事者の責任によらず製品に損壊・滅失などの責めに帰すべき事由によらない事故等があって納入ができなくなった場合、生じた損害を委託者・受託者のどちらが負うのかを定めるものです。

受託者が製品を完成させて委託者のもとへ納入した時点や検査完了時点で危険負担が移転させることが多い傾向にあります。

 

製造物責任

製造物責任とは、製造したものに欠陥があり、それによって人の身体や生命、財産に損害が生じた場合、製造者が負う責任を言います。製造物責任は製造物責任法(PL法)に定められている免責事由に該当しない限り、過失がなくても発生するものです。そのため、製造物責任を委託者・受託者のどちらが負うかが大変重要になります。

 

再委託の禁止

法律上、請負契約で再委託は禁止されていません。しかし、製造委託契約は委託者が受託者の能力を見込んで結ぶものという性質があるので、再委託を許可してしまうと品質が担保されない可能性があります。また、製造委託契約の中で委託者から重要な営業秘密やノウハウが開示されることもあり、情報漏えいが懸念されることから、再委託が禁止されることも珍しくありません。再委託が許諾されている場合でも、受託者が再委託先の行為について連帯して責任を負うことが多いです。

 

委託料(報酬・料金)

委託料の具体的な金額や支払方法、期限なとについて定めます。一般的な支払方法は銀行振り込みですが、規模の大きな案件では手形や小切手などの一括決済方式や電子記録債権などが利用されることも少なくありません。なお、委託者が下請法適用事業者である場合は、支払期限が納入から60日を超える場合、下請法違反のリスクがありますので、ご注意ください。

 

契約不適合責任(瑕疵担保責任)

瑕疵担保責任とは、検査時には確認できなかった欠陥が見つかったときに、受託者が負う責任のことです。平成29年の民法改正により瑕疵担保責任は「契約不適合責任」という名称に変更されます。欠陥が見つかった場合、委託者は受託者に修補・報酬の減額・損害賠償などの請求や契約解除をすることができます。ただし、受託者の責任を問える条件は、「契約不適合を知った日から1年以内に受託者に通知すること」となっていることに注意が必要です。

 

製造委託契約書を締結するときはAI-CONでリスクチェックを忘れずに

製造委託契約を締結するときには、AI-CONレビューで事前に契約内容のレビューをされることをおすすめします。

AI-CONを使うことで自分にとって不利になりうる条項を簡単に発見でき、なおかつ修正案レコメンド機能でどのように修正すればよいのかもわかります。そうすれば、思わぬリスクを避けることもできます。

製造委託契約は、知的財産権や製造物責任も関わってくる重要なものです。思わぬリスクを背負わないためにも、AI-CONでリスクチェックを忘れずにしておきましょう。

 

 

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