【記事メディア運営者向け】しっかりと理解しておきたい「コンテンツ制作契約」

ここ数年でウェブ集客方法としてトレンドになってきた、コンテンツマーケティングやオウンドメディア。これらは、ターゲット層の顧客にとって役に立つ情報を掲載することで企業の信頼性を高め、中長期的なリードの獲得やコンバージョンにつなげるためになくてはならない手法となっています。

しかし、これらのメディアを運営するにあたり、法律上気を付けておきたいことがあります。本記事では、記事メディアの運営者の方に向けて、コンテンツを制作するときに知っておくべき法律上の権利や契約の重要性について解説します。

 

コンテンツを制作・公開するときに注意したい3つの権利

メディアに掲載するコンテンツができてきたら、実際に掲載する前に注意したいことがあります。それは上がってきた記事が「著作権」「肖像権」「パブリシティ権」に違反していないかということです。それぞれの権利がどのようなものなのかについて、見ていきましょう。

 

著作権

著作権とは、知的財産権のひとつで、自分の想いや考えを表現した創作物を保護する権利のことを指します。たとえば、ブログ記事や書籍・論文・絵画・写真などが、著作権によって保護されうるものにあたります。

著作権で守られている他人のコンテンツは原則として無断では使用できないので、使用する場合は著作権者の許可が必要です。ただし、オリジナルの部分と引用部分に主従関係がある、引用元を明記するなど、正しい方法で引用されている場合に限り、著作権者の許可なくコンテンツを使用できることになっています。

 

肖像権

メディア全体を華やかに見せたり、読者の目を休めながら長いコンテンツを読ませたりする方法として、記事に画像や写真を差し込む方法があります。このとき注意しなければならないのが、「肖像権」の問題です。

肖像権とは、無断で自分の容姿を撮影されたり、公表されたりしない権利のことを指します。たとえば、勝手に友達の写真を撮影し、無断でSNSに投稿した場合、その友達の肖像権を侵害してしまう可能性があります。

ただし、たまたまそこに居合わせた通行人が写りこんだ写真を掲載する場合は、肖像権の侵害に当たらないケースがあります。過去の判例では、肖像権侵害に当たるのは「社会生活上受忍すべき限度を超える場合のみ」となっているからです。また、写りこんだ人物が誰なのか特定できない場合も、肖像権の侵害にはあたらないと解釈されています。

 

パブリシティ権

肖像権と併せて注意したいのが、パブリシティ権についてです。パブリシティ権とは、タレントやアイドルなど顧客を引き寄せる力のある有名人の名前や容貌を、有名人自らコントロールする権利のことを指します。たとえば、スポーツ用品に有名な選手の顔写真を無断で載せて販売した場合は、パブリシティ権の侵害となってしまうので注意が必要です。

また、いわゆる「タレント犬」や有名な競走馬などは、「物のパブリシティ権」があると考えられています。しかし、このような有名な動物の写真を無断で使用して争われた事件では、物のパブリシティ権は「名称などの無体物に関する権利であって、動物そのものなどの有体物に関する権利ではない」とされ、否定されています(最高裁平成16年2月13日 第二小法廷判決)

パブリシティ権侵害が認められるのは、その人の顧客誘引力を利用する目的がある場合といわれています。しかし、この判断は容易ではなく、著名人の写真等を利用する場合には、その人の顧客誘引力を利用するために掲載することが一般的だと考えられます。そのため、著名人の写真等を利用する場合には、事前に承諾を得るようにしましょう。

 

コンテンツ制作契約に入れておきたい契約条項

コンテンツ記事の執筆を外部のライターに依頼するときは、トラブルを未然に防止するためにコンテンツ制作契約を締結することが大切です。では、コンテンツ制作契約にはどのような条項を載せておくべきなのでしょうか。

 

知的財産権の移転について

ライターにコンテンツの執筆を委託する際、著作権を含む知的財産権はすべて「納品した時点で委託者に移転(譲渡)する」とするケースが一般的です。

ただし、委託者に著作権を譲渡するとしても、委託者がその原稿に手を加えること(翻案権。著作権法第27条。)や、その原稿をもとに別の創作物をつくること(二次利用権。著作権法第28条。)までは譲渡したことになりません。そのため、翻案権や二次利用権まで譲渡する場合は、別途条文にその旨を記載することが必要です。

具体的には、「著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む)」のように、括弧書きの記載まで明記されているか、注意して読みましょう。

 

著作者人格権の行使について

著作者人格権とは、自分の著作物を公開したり、著作物に自分の名前を表示したり、著作物やそのタイトルの同一性を保持する権利のことを言います。著作権法上、著作権は譲渡できますが、著作者人格権については一身専属の権利のため譲渡できないとされています。

しかし、ライターに著作者人格権の行使を認めていると、後から「勝手にタイトルを変えないで」などのクレームが来ることも考えられます。そこで、契約書上、「著作者人格権については、(受託者は)これを行使しない」と記載しておくことが一般的です。

 

契約書を作成しておくことで未然に防ぐことのできるリスク

ライターなどの執筆者とコンテンツ制作契約を結んでおくことで、以下のようなリスクを未然に防止することができます。

 

勝手に公表されるリスク

ライターなどの執筆者は、実績としてアピールするために、自分の書いた記事をSNSやブログにアップしたり、そのコンテンツをそのまま別のメディア記事に流用したりする可能性も考えられます。

そのため、委託者側としては、コンテンツ制作契約を通して、ライターなどの執筆者自身の著作権を移転させる他、ライター自身がコンテンツを利用・公表できる範囲についても明記することで、、納品後の記事を勝手に使用しないように制限をかけておくことが重要です。

 

第三者に損害を与えたときのリスク

委託したライターが、第三者の書いた文章をコピペして作ったコンテンツを納品した場合、メディア運営者は著作権法違反を理由に、著作権者から記事の差し止めや損害賠償請求をされるおそれがあります。

そのときに備えて、知的財産権を侵害していないことを表明保証させることや、それとともに、ライターが納品したコンテンツが第三者の権利を侵害していた場合等、コンテンツに関連して第三者に損害を与えた場合、このコンテンツを作成したライターの費用と責任で損害賠償させることを契約書に盛り込んでおくことが必要でしょう。

コンテンツ制作契約には、このほかにも記載しておくべき条項がいろいろあります。契約書リスクをオンラインで判定できるAI-CONではコンテンツ制作契約書のドラフトをご用意しておりますので、一から契約書を作成する手間も省けます。外部ライターに記事の制作を委託するときには、ぜひご活用ください。

 

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