製造委託契約を結ぶ際に注意すべきポイントとは

製造物委託契約には、製造物責任に関する条項など、内容次第では事業を進めていく上で大きな障害になり得る重要な規定が含まれています。そのため、契約書のチェック時に見落としがあると、思わぬリスクを背負わされかねません。

本記事では、委託者と受託者で利害が対立しそうな4つの項目に絞ってリスクになりうるポイントをおさえ、どのように修正を求めれば良いのかについて解説します。

 

危険負担

危険負担とは、受託者が製造した製品が契約当事者の責めに帰すべき事由に基づかずに損壊・滅失して使えなくなってしまったときに、どちらがその損害を負担するかという問題のことです。たとえば、完成した製品を倉庫で保管しているときに、地震が起きて壊れてしまった場合、どちらが費用を負担するか問題となるのが、危険負担なのです。

 

引き渡し時に危険負担が移転するケースが多い

一般的には、製品が受託者側にあるときは受託者が危険を負担し、製品が委託者側に引き渡された後は委託者が負担する、とされるケースが多く見受けられます。しかし、危険負担の移転のタイミングは、委託者にとっては遅い方が。受託者にとっては早い方が有利なので、危険負担の移転のタイミングについて対立が起きることがあります。

 

委託者が受領を拒否した場合は委託者に危険負担を移転させる

もし受託者が製造した製品を委託者が受領しようとしなかった場合、納入期日を過ぎても受託者側で保管しなければならなくなります。

その場合に備え、受託者としては、委託者が納入期日を過ぎても製品を受領しないことが原因で受託者側でその製品を保管している間に火災や地震などの天災が起こり、製品が滅失してしまったときには、委託者側がその危険を負担するようにしておくとよいでしょう。

 

所有権の移転

所有権が受託者から委託者に移転するタイミングをいつにするのか、ということは委託者・受託者双方にとって重要なことです。

 

委託者にとっては所有権の移転はできるだけ早い方がいい

委託者にとって、所有権の移転はできるだけ早い方が望ましいと言えます。なぜなら、製品を第三者に売却したり使用させたりする予定や自ら製品を使用する予定がある場合、所有権が受託者にあっては自由に製品を売却したり使用したりできないからです。

そのため、製造委託契約書では、「半製品・完成品を問わず所有権は甲(委託者)に帰属」と定められることもあります。その場合、受託者側は製品を完成させて委託者に納入するまで製品に関して善管注意義務を負い、なおかつ保管にかかる費用まで負担させられることもあります。

 

受託者有利にするなら所有権の移転をなるべく遅く

一般的には、委託料の支払いとともに所有権が移転するケースが多く見受けられます。しかし、委託者が何らかの理由で委託料の支払いを拒んだり、支払いが遅延した場合に備えて、所有権を受託者側に留保させておくほうが良いこともあります。

したがって、受託者有利にするのであれば、所有権の移転はなるべく遅いタイミングにしたほうが良いでしょう。

 

製造物責任

製造物責任法(PL法)では、欠陥のある製品を販売し、他人に身体や生命、財産を侵害したとき、製造業者等は賠償責任を負うことが定められています。そのため、その責任を委託者・受託者のどちらが負うのかが問題になります。

 

受託者だけが「製造業者」とされる可能性

委託者は、すべての製造工程を外注している場合でも、製造物責任法上の「製造業者等」に該当します。しかし、実際に委託者から注文を受けて製品を製造したのは受託者です。

そのため、契約書にも、受託者のみが一方的に賠償責任を負わなければならない旨が記載されているケースが多く見受けられます。

 

実際は委託者の責任もある

受託者は委託者の提示した仕様や図面などに従って製品を製造した場合は、100%受託者に責任があるわけではありません。この場合は仕様や図面に何らかの問題があったと考えられるため、契約書上も「委託者が責任を負う」としたほうがよいでしょう。

それが難しい場合でも、「責任の割合は別途協議の上決定する」といった文言は入れておくことをおすすめします。

 

 

瑕疵担保責任(契約不適合責任)

瑕疵とは簡単に言うと「隠れた欠陥」のことです。検査時には発見できなかった欠陥が検査合格後に見つかったときに受託者が負う責任のことを、瑕疵担保責任といいます。

現行民法ではこのように呼ばれていましたが、2020年4月1日から施行される改正民法においては「契約不適合責任」という名称に変更になります。

 

担保期間は契約で自由に設定できる

瑕疵担保責任を問えるのは、原則瑕疵の存在を知った日から1年以内と民法で定められています。しかし、これはあくまでも任意規定のため、契約当事者の意思や製品の性質によってこの期間を自由に変えることができます。そのため、委託者としては修補や代替品の納入について規定するとともに、受託者への通知ができる期限を長めにとることが予想されます。

 

検査に合格すれば瑕疵担保責任を負わないとする方法も

受託者側としては、製品を納入する際には毎回検査を受けることから、「納入物の検査に合格した場合、受託者は瑕疵担保責任を一切負わないものとする。」などと規定することもできます。また、過大な費用がかかる場合は、そもそも修補や代替品の納入を行わないと規定する方法もあります。

 

製造委託契約はAI-CONでリスク判定をしておこう

以上のように、規定の仕方によっては受託者側に一方的な負担を強いるような契約になってしまうリスクもあります。そのようなリスクをなくすため、製造委託契約書に署名・押印をする前には、AI-CONでリスク判定をしておきましょう。

AI-CONは契約書をアップするだけで内容をチェックしてもらえるだけでなく、修正を求める場合には修正方法も画面上で教えてもらえるツールです。オプションで相手方との交渉のときに使えるコメントも利用できるようになったので、ぜひ一度お試しください。

 

 

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