副業前に確認したい、フリーランスとして独立するときのリスクと注意点

近年では企業から独立する形で、あるいは副業という形でフリーランスとして働く人が増えています。個人で仕事を請け負う際には、クライアントと業務委託契約を結んで仕事をすることになりますが、そこには法的リスクが潜んでいることも忘れてはなりません。

本記事では、企業に勤めている場合とフリーランスになった場合のリスクの違いや、フリーランスになるときの注意点について考えていきたいと思います。

 

個人として独立するリスク①:社会保障面での手厚さが違う

会社員とフリーランスの最も大きな違いのひとつに、社会保障の手厚さがあります。会社員の場合とフリーランスの場合では、社会保障面でどのような違いが出てくるのでしょうか。

 

会社員は社会保障が手厚い

会社員であれば、入社時に社会保険(健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険)に加入するのが一般的です。これらの保険に入っていることで、万一のときに備えて安心して働くことができます。万一、業務に起因するケガや病気をしたときには、労災保険から治療費が下りるので、自己負担なく治療に専念することが可能です。

 

フリーランスには社会保障がない

一方、フリーランスには社会保障がほぼありません。フリーランスは、国民健康保険や国民年金保険には加入できますが、原則として労災保険には入れないので、業務に起因するケガや病気で働けなくなっても、仕事ができる状態かどうかにかかわらず、治療費を負担しなければならなくなります。また、クライアントの都合などで仕事がなくなった時に、収入の保証がないこともフリーランスの大きなリスクです。そのため、普段から収入が途切れないように努力することが必要になるでしょう。

 

個人として独立するリスク②:労働時間によっては健康面に影響も

会社員とフリーランスでは、時間的拘束の有無についても大きな違いがあります。

所定労働時間に拘束される会社員

会社勤めをしていれば、毎朝決まった時間に出社して、定時までは会社にとどまって仕事をすることが必要です。その日にする仕事が定時より早い時間に終わって時間をもてあましていたとしても、就業時間までは会社に残っていなければなりません。しかし、逆に言えば、定時まで会社にいるだけで何もしなくても給料が保証されるというメリットもあります。

 

フリーランスは労働時間が自由自在に決められる

フリーランスの場合は、クライアントから時間的拘束を受けるわけではないので、自身の状況に合わせて労働時間を自分自身で自由に決めることができます。しかし、納期が迫ってきたときや業務量が自身のキャパシティを超えたときには、労働時間が深夜に及び、心身の健康面に影響をもたらすことがあります。フリーランスには、その実態が委託先の社員と認められるような例外的な場合を除き、労働基準法が適用されないので、体調を崩さないよう労働時間や健康面について自己管理を徹底することが必要です。

 

個人として独立するリスク③:損害賠償が発生すると全額自己負担

フリーランスとして独立して仕事をするときに、最も気を付けなければならないのが、知的財産や著作権にかかわる契約違反をしたときなどに、損害賠償が発生するリスクです。

 

会社員の場合は会社が責任を負う

会社勤めをしていれば、たとえ自分のしたことで他社に損害を与えたとしても、よほど悪質なケースを除いて、責任追及されるのは会社のみであることがほとんどです。

社員個人が賠償金を支払わなければならないケースはほぼありませんので、安心して日々の業務に励むことができます。

 

フリーランスの場合は全額自己負担

一方、フリーランスの場合は、自身のミスにより契約相手に損害が発生すれば全額自費で損害賠償金を支払わなければなりません。損害賠償額は契約であらかじめ定められていることもありますが、契約書上、賠償額等の制限規定がない場合には、金額が百万円単位や一千万単位にのぼるケースもあります。そのため、日々の業務を行う際には慎重さが求められると言えるでしょう。

 

フリーランスとして業務委託契約を結ぶ際の注意点

業務委託として働く場合、上記のような法的リスクを回避するためには以下のようなことに気を付けましょう。

①余裕を持ってこなせる仕事量を把握する

働きづめになって体調を崩すことのないよう、こなすことのできる仕事量を把握しましょう。仕事に充てられる時間は日によって異なることもあるため、余裕を持ったスケジューリングを行うことが必要です。

 

②万一の場合に備える

2017年に設立された一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会には、会員になると賠償責任補償が自動的に付帯されるサービスがあります。また、ケガ・病気への備えもできる所得補償制度にも任意で加入することが可能です。

 

③契約書の内容も把握しておく

クライアントと契約書を交わすときには、必ず内容をチェックして、自分に不利な条項がないかをよく確認しましょう。書かれている文言が難しくて内容がよく理解できないときは、AI-CONのようなオンラインで契約書の内容をチェックしてもらえるツールを使用するのもおすすめです。

 

フリーランスになると、あらゆる面で自己防衛をしなければなりません。さまざまなリスクに備えるためにも、上記のような制度・サービスを利用するのも身を守るためのひとつの手段になるのではないでしょうか。